三点リーダについて
あのね・・・なんて省略表現で中点(・)を使うと、モヒカン族と呼ばれる人たちに絡まれるらしい。
私はこのブログに限らず、仕事でも省略表現には中点を三つ連ねて使っている。
理由は単純で、その方が長さが適当と思えるから。 三点リーダ1個(一文字分)だと、何だかもの足りない感じがするんだなこれが。
「じゃあ三点リーダを2個並べればいいじゃないか」とおっしゃるかも知れないが、そうすると点の間隔が微妙に不揃いになるから嫌なのだ。 どっちにしろ主観的な理由で使っているだけだから、本当に恥ずかしい間違いなら正さなければならないだろう。
そう思って「中点を三つ連ねて省略表現とするのは誤り」という説の根拠を調べてみた。
まずWikipediaで調べてみると、その論拠はどうやら文化庁の「国語表記の基準」参考資料「くぎり符号の使ひ方」にあるらしいことが分かった。
なるほど、確かに見習うべき基準ではあるが、始めに(案)と断っているではないか。 実際「まへがき」には下記のような記述もある。
四、くぎり符号の適用は一種の修辞でもあるから、文の論理的なすぢみちを乱さない範囲内で自由に加減し、あるひはこの案を参考として更に他の符号を使つてもよい。
(原文は縦書き)
他にもいろいろ調べてみたが、これと同等以上に重みのある理由付けが見つからなかった。 大抵は「中点は区切り文字である」というところから出発して「だから省略表現に使うべきではない」と結論付けているだけだ。
中にはこんなことを書いている人も。
日本語文章で一般的に使われる記号の中に「・」(中黒点)はあってもそれ
http://sakka.org/opinion/thread/index.cgi?mode=past&no=246
を3つ連ねる「・・・」は、無いはずです。
もし、どこかで使われているのを見かけたら、それはその人が三点リーダー
を知らない。または、パソコンでの使い方がわからないということでしょう。
何という大胆な推定! 三点リーダもパソコンでの使い方(文字変換方法って意味だと思う)も知ってるって。 :-(
(話は逸れるけど、私は「パソコン」って言葉を使うのがどうも気恥ずかしくて"PC"って呼んでます)
さて一方、文化庁の基準で「テンテン」と称されている三点リーダだが、"leader"というくらいだから元々は「導線」であって、元来は目次などで以下のように使われるものだと思ってた。
目次 1.三点リーダとは …………… 1 2.モヒカン族について ……… 2
- cf.http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=leader&dtype=1&dname=1na&stype=0&pagenum=1&index=04120300
だから「三点リーダを省略表現に使うのは誤り」という気は毛頭ないけど、似たり寄ったりな感じがする。
本稿の主旨に近い意見をネットで調べてみた。
ただ、
▼中黒を3つ入力して、スペースキーを押すと、三点リーダに変換される。ということは、中黒3つは変換されていない状態の三点リーダだということも考えられる。
というのは、FEP辞書で便宜上そのように設定されているだけの話なんじゃないか(=論拠としては弱い)という気がするが。
何れにせよ、ネットで半角カナや機種依存文字を使うのとは異なり、明らかに間違いと言うものではなさそうだ。
半角カナ*1・機種依存文字の場合は、その利用は間違いというより技術的な事情からくる制限で、「正しく伝わらない可能性がある」から「使うべきでない」とされている。
中点を並べて省略表現に用いることにはそのような技術的制約はないから、後は国語表現として正しいかどうか判断することになるが・・・*2誤りと断定するに足る根拠もないようだし、意図が伝わるなら別にいいんじゃないですかね?