比呂美色紙の落札について

はじめに

今回のイベントに関して幾つかあった気掛かりのひとつが、チャリティーオークションの成り行きでした。
オークションのルールは市場原理そのものですが、下手をすると感情的なしこりが残ってしまうかも知れませんから。
それに応札なんて目立つこともしたくはなかったし、当初は大人しく見守るつもりだったのです。
けれど、水害復興支援が目的だということを熟考するうち、出品物次第では参加しても良いという考えに変わりました。

7・28豪雨災害の惨状

全国ニュースでも報道されたので知ってはいましたが、「広報なんと9月号(No.46)」を見て愕然としました。

むぎや祭の折、被災箇所を目の当たりに見ましたししましたし。

なので善徳寺で行われていた募金活動に、心ばかりの寄付をしてきました。
その後、今年の1月で義援金の受付が終了したと聞いたので、てっきり目標額を達成したのだと思っていましたが、実はそうでもなかったんですね…。

私自身、父の葬儀で思わぬ出費を強いられたため今でも少々厳しい状況なのですが、その際、多くの方々から支えて戴いたことを思い出しました。 結局、それがチャリティーオークション参加を決意する判断材料になったのでした。

個人的上限額の設定

出品物が何か事前に公表されなかったので、その状況で「自分なら幾らまで出せるか」ということを考えてみました。
何が出品されるにせよ、私の通常の感覚では2〜3万円が限度です。
希少性が高いものなら軽く10万円を超えるであろうことは予想していましたが、目的がチャリティーなので、気に入ったものならばそのラインまでは踏ん張っても良いと思えました。 その代わり、10万円を超えたら潔く諦める。
こうして割と早い段階で落札上限を設定していたのですが、現金として手元に用意したのは前日になってから。 「セフレ」にあるJAのATMで引き出したのですが、出来れば手数料の掛からない端末を使いたかった…斯様に私は、105円の手数料を惜しいと思うほどにはみみっちい、そんな金銭感覚の持ち主です。(笑)

入札物件のチョイス

チャリティーオークションが始まってから、ようやく出品物が分かりました。
ラジオCDとタペストリーは、昨年の冬コミで既に入手済み。 今回のはサイン入りではありますが、これをかっさらってしまっては他の人に悪い。 そう思って静観してました。
そして問題の「関口可奈味女史直筆:声優生サイン入り」の色紙3枚(愛子・比呂美・乃絵)が出品されたわけです。
これを見た瞬間、「あ〜、これは10万超えるわ…」と直感しました。 次の瞬間、3人のヒロインの中から1人を選ばなくてはならない、という眞一郎さながらの葛藤がスタート。 そして出した結論は、眞一郎と同じもの。
「俺は比呂美が好きだ…だけど乃絵や愛子を見てると心が震える…」
かくしてオークションが始まると、まず愛子が10万円に。 そして次が比呂美。
愛子の落札額より低い価格からスタートし私も10万コールしましたが、直ぐに13万に塗り替えられ私は落胆、その後も競り合いになりとうとう17万円に。 主催者側、流石に当惑。 そしてここから上限10万円ルールが確立し、CDやタペストリー同様、ジャンケン勝ち抜き大会に切り替わったのでした。

奇跡の勝ち抜きゲーム

自分では冷静なつもりだったのですが、かなりテンパっていたようです。 何故なら、名塚さんとジャンケンしたはずなのに、高垣さんとしたような錯覚がありますから。
ジャンケンの回数も、3回だったか4回だったか、正確に覚えていません。 確か名塚さんに続けて2回勝って2人に絞られ、直接対決した相手とは1回目あいこ、2回目で勝ち抜けたような記憶があるのですが…彼女とは1回しか勝負しなかったのかも知れません。
勝った瞬間、自分でもそれが信じられませんでした。 だって、1次抽選で選外になった人ですよ私は。 2次抽選で救われただけでラッキーなのに、ジャンケンで勝ち抜けてしまったんですもん。 2次抽選当選メールが来た時と同じ「一生分の運を使ってしまったのかも」という考えが一瞬、脳裏を過りました。
そして次に「みんなの欲しがるものを、カネの力でぶん取ってしまった…」という、何となく申し訳ない気持ちになりました。
これはオークションだということは皆わかっているし、落札したことを申し訳ないなどというと、逆に他の落札者に対して失礼になりかねないという理屈は分かるのですが、これはその時の偽らざる心境なので…。
落札後、私が客席側に向き直ってお辞儀をしたのは、そういう理由からです。
着席すると、ちょうど斜め前に座っていた南砺市長から握手を求められました。 本気で驚いておられたようでした。
その後の乃絵の入札では、心なしか比呂美の時より参加人数が多かったように思います。

名入れ

最終イベント(CANAAN第1話上映)が終わったあと、落札者は事務室まで来るようにとの放送が流れました。
混んでたこともあり、トイレに立ち寄ってから少々遅れ気味に出向くと、色紙2枚を落札した方がちょうど手続き中。
そのあと名乗り出ると、色紙に書く名前(実名でもニックネームでも可)を訊ねられました。 少し考えましたが、公開することを考えると実名では些か都合が悪いので、「しまうま技研」と書いてもらうことにしました。 そのあと結局実名も訊ねられたので「何で?」と思いましたが、名入れもこれも転売を憂慮しての対策なんだろうと思います。*1 でもこれで、事務局サイドには素性がバレてしまいました。
ちなみに「しまうま技研さん」と書いて下さったのは、多分名塚さん。 直接見てないけど、関口さんは絵を描いただけだと思いますよ。*2
名入れが済んでから色紙と感動のご対面。

やはり大人気で、数名の方から撮影の申し出があったので快諾しました。
事務局の方々にも好評でしたねぇ…ついでに「ブログ見てます」などと声を掛けられたりして、嬉しいような恥ずかしいような…。
オークションでは素顔を晒し、事務局側には個人情報まで握られてしまった私。 モウ、オヨメニイケナイ…。

最後に(父の想い)

帰路、イベントの興奮冷め遣らぬ中で父のことを思い出していました。
父は富山県出身でした。 父が他県出身だったら、私は果たしてここまで true tears や富山・城端に惚れ込んでいただろうかと、時々考えることがあります。
父は、困っている人を放っておけない性分でした。
そのため逆に私たち家族に負担を強いることがあり、晩年は衝突することが多かったのですが、私自身がこうしてチャリティーに10万円出すという、まるで父のような行動をしていることに改めて気付いて呆然としました。
「あぁ、やっぱり親子なんだなあ…」
父の気持ちがやっと分かったと思った次の瞬間、父に浴びせ掛けた罵詈雑言の数々と、それでも何も言い返さなかった姿が鮮明に思い出されて…運転中なのに、やたら泣けて困りました。


P.S.
コメントを多数戴いておりますが、今日はこのエントリを書くのが精一杯でした…。

*1:これはちょっと捻くれた見方でしたね…やっぱり記念でしょ、第一義には

*2:関口さんが会場にいらしていたという話は聞きませんし、常識的に考えてCVのサインだと思います