映画「2001年宇宙の旅」

少し前の記事になるが、トム・ハンクスの一番好きな映画は「2001年宇宙の旅」なのだそうである。

米オスカー俳優トム・ハンクス(49)が、13日付のドイツのビルト紙のインタビューで、お気に入りの映画ベスト5を発表した。まず名前が挙がったのはスタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」(1968年)。ハンクスは「この作品だけはいくら見ても見足りない」とコメントしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060414-00000890-reu-entより)


この映画については今さら説明の必要はないと思うが、初公開当初は賛否両論が渦巻いたという。
「ナレーションを廃した、暗示的なストーリー」が難解だとして批判されるが、これはもう「映像体験」なのだと割り切って観た方がよいだろう。
私がこの映画を初めて観たのは、初公開から10年後のリバイバル上映で、これは「スターウォーズ」ブームにあやかったものだったらしい。
観る前に、既にいろいろなメディアで予備知識を仕入れていたから本編の難解さは気にならず、ただひたすら、視覚化された未来のテクノロジーに陶酔した。 そういう楽しみ方が出来るか否かが、この作品を好きになるかどうかの分かれ目になるのだろう。
好き嫌いは別にして、この映画がSF映画の金字塔と言われることについては、ほぼ異論はないと思う。 この作品の前後で、宇宙を舞台にしたSF映画のありようが全く変わってしまったのだから。
白を基調とした幾何学的なスペースクラフトのデザイン、ハイコントラストなライティング・・・これはスターウォーズ以降、今に至るまで引き継がれているものだ。
流石に40年近くを経て見劣りする部分も目立ってきたし、派手なシーンもない映画ではあるけれど、私にとってはハンクス同様、今もNo.1 movie なのである。


ちなみにこの作品、いくつか科学考証に隙のあるシーンが残っていて、有名なのが Aries 号の中での食事シーンなのだけれど、個人的にはムーンバスのコックピットにニキシー管が使われていることが、微笑ましいミス(というか、読み違い)として印象に残っている。