mixi登録者数の伸びを予測してみた

先週、mixiに代表されるSNSの登録者数が高い伸びを示しているとの報道があった。

 先週総務省が発表した「ブログ及びSNSの登録者数(平成18年4月発表)」を集計・抽出したものによると、SNSユーザーは2005年10月の185万人から2006年3月の282万人へ、約100万人、伸び率にして約152%の急増を見せている。


 ビデオリサーチインタラクティブの調査では、日本最大規模のSNSミクシィ」が3月1日に会員数300万人を突破したことを具体例として挙げ、わずか84日で会員数が200万人から300万人へ増加したとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060419-00000011-rbb-sciより)


「招待がないと登録できない」という会員制クラブみたいな仕組みは、ヒトの優越感をくすぐる上手いやり方だと思うが、同時に足枷にもなる。
この仕組みを厳格に維持すれば、登録者数は早い時期に頭打ちになるだろうし、緩めてしまえば有象無象が登録し始め、「安心できるコミュニティ」ではなくなってしまう。(既にそのようなものではなくなっているようだが)
個人的には「ここ1〜2年が増加のピークで、最終的には今(300万人)の2〜3倍くらいで頭打ち」と予想していたのだが、これを統計学的手法を使って検証してみた。


まず、元データとしては、mixiのプレスリリースから「ユーザ数」に関する情報を抜き出す。

このデータをゴンペルツ曲線に当てはめれば、いつ・どのくらいで飽和するかを予測する手掛かりになるだろうと考えた次第。
ちなみにゴンペルツ曲線とは生物の成長過程を示す数学的モデルの一種で、ソフトウェア工学ではバグの発生(摘出)予測によく用いられる。

で、まず実績値にゴンペルツ曲線を近似させた結果が以下のグラフ。

棒グラフがmixi登録者数の実績値。 点線で示したものは「短期間ではリニアに増加している」と仮定して算出した補完値。
黄色の折れ線グラフがゴンペルツ曲線で、その式は以下のようなものになった。


6$y=e^{3$17.2-8e^{0$-0.05x}}


ちなみにeはネイピア数(2.7182818...)。
この式のxに2004年3月を1として、4月を2、5月を3・・・とした数字を代入すると、所望する月のmixi登録者数が求められる。
パラメータは試行錯誤で求めたもので数学的な厳密さに欠けるが、MSE(Mean Square Error:平均自乗誤差)は0.006*1で、まぁまぁなところでしょう。
これを元に飽和点収束値を求めた結果が以下のグラフ。

当初のドンブリ勘定予想とだいぶ違う。 それなりに裏付けのある結果ではあるけれど、これはかなり楽天的な数字でしょう。
確かCNET Japanhttp://japan.cnet.com/)の記事だったと思うけど、ヤフーID(E-Mailアドレスさえあれば誰でも取得可能)の登録数が3000万ということだから、mixiの登録者数が2800万まで行くとは、ちょっと考えられない。

*1:この値は真数ではなく、対数によるもの