北海道デンジャラス・ゾーン

先日ヒグマのことを書いてから、このエントリの構想を練っていた。
北海道には、危険というかいろんな意味で怖いところが少なくない。 まだ今年の紀行文を書き上げていないけれど、とりあえず書けるものから書いておこう。

養老牛温泉「からまつの湯」付近(ヒグマ出没)

以前も取り上げたことがあるが(今日の癒し - しまうま技研)、初めてここを訪れた時、この付近でヒグマが目撃された、という看板が立っていてちょっとビビッた。
平成6〜7年頃のことらしいが、それ以降クマがでたという話は聞かない。
人気のない夜はちょっと怖いが、休日ともなると、夜間でも人がひっきりなしに訪れるので興醒めする。
去年訪れたら、すぐ近くに未舗装ながら広い道路が出来ていて、なおさら残念に思ったものだ。

知床五湖(ヒグマ出没)

昨年世界遺産に登録された知床は、世界的にも希な高密度でヒグマが生息していることでも有名。
奥の3〜5湖を巡る遊歩道コースはヒグマと遭遇しやすいので要注意。 ヒグマが目撃されると通行禁止となる。
近年、マイカー規制(一般車進入禁止)が検討されている模様。

興部(おこっぺ)・氷のトンネル(雪洞崩落)

谷間に厚く積もった雪が、沢に流れる雪融け水で融かされて出来る自然のトンネル。
残念ながら2001年の崩落事故により、翌2002年7月7日から、ガイドが同伴しないと見学できなくなっている。

実は、その事故のあった当日(確か2001年8月15日)、偶然にも私はその場に居合わせていた。
家族連れが何組か来ていて、子どもたちが雪の上に乗って遊んでいた。 危ないなぁとは思っていたが、私が立ち去ったすぐ後に事故が起きたらしい。 事件のことは、興部から札幌へ移動したところで地元の人から聞いて知った。
当日はNHKの取材クルーも来ていて周辺を撮影してたので、比較的大きな扱いで報道されたのかも知れない。
現在は、かなり手前から通行止めになっている。
 
本当なら、こんな自然の造形の妙を楽しめるのだが。

神恵内(道路崩壊)

今年92駅まで登録されている北海道の道の駅のうち、唯一無期限閉鎖になっている「オスコイ!かもえない」があるところ。
閉鎖の理由は、2004年9月8日の台風18号により施設と周辺道路が被災したためなのだが、その惨状は下記URLで確認して欲しい。

北海道には、このように海のすぐ手前まで山が迫っているような険しい所が多く、海が時化るとすぐ通行止めになる。
VICSが普及し始めた頃、神恵内に差し掛かったら、神恵内までの道路状況(通行止めの有無)が表示されてびっくりしたが、都市部しかないと思っていた光ビーコンが早期に導入されるくらい、道路状況が急変する場所なのだ。

襟裳岬周辺(落石)

初めて通った時、100メートルくらいの切り立った断崖が道路のすぐそばまで迫り、ところによっては道路側にせり出しているのでぞっとした。
今は立派なトンネルが出来て、危険な場所は少なくなったが、昨年そこを通行中に旧道にふと目をやったら、タンスぐらいのでかい落石が防護ネットの裾からはみ出し、旧道を塞いでいるところを目撃した。 やはり恐ろしいところだったんだ・・・。

豊浜トンネル(落石)

その落石が尊い人命を奪った事故が起きた。 3万トン近い岩石がトンネルを突き破り、運悪く通りかかったバスと軽四駆を押しつぶした、悲惨な事故だった。
事故当日はちょうど土曜日だったこともあり、救出作業を生中継で観た方も多いだろう。 詳しいことは下記URLを参照されたい。

阿寒湖・屈斜路湖付近(シカ飛び出し)

北海道は、ちょっと人里から離れると野性動物をよく見かける。 キタキツネやエゾシカはもう何度も見た。
だから、どこを走っていても動物の飛び出しには要注意なのだが、特に阿寒湖や屈斜路湖の近辺はシカの飛び出しが多いので気をつけなければならない。
キツネやシカは薄暮の時間帯によく出没するのだが、シカの場合は車のライトに向かってくる習性があるらしいので一層怖い。


さて、ここから先はややオカルト的な要素を含むので、苦手な人は見ない方が・・・。

根北峠・越川橋梁

心霊スポットというわけではないが、朽ちかけた姿や周囲の幽玄な雰囲気が観る者を沈鬱な気分にさせる。
強制労働によって造られた経緯を知ればなおさらだ。

根北峠はゴールデンウィーク頃まで路面が凍結しているので、スタッドレスかチェーンは必携。

昆布森付近

北海道の道路は信号も交通量も少ないので走りやすいが、それがかえって災いすることがある。 道東の国道などは、流れが良すぎてアオられることも少なくない。
私の運転は決しておとなしい方ではないのだが、そんな私にテール・トゥ・ノーズで迫るクレイジーなドライバーがいる。 特に10tトラックなどにそれをやられると生きた心地がしない。
そんな時は国道から逸れ、並行する道道などを走るのだが、かつて走った昆布森(こんぶもり)付近は、どうも「出る」ので有名らしい。
(地図は問題があるため削除)
私はここから初田牛(はったうし)を経由して霧多布(きりたっぷ)付近まで海沿いの道を走ったことがある。 それも雨の夜に。
幸い何も見なかったが、見ても不思議ではない雰囲気ではあった。
エアコンをかけていたのにフロントガラスがすぐ曇るのには参った。 こんなことは滅多にない。

浮島トンネル

ここは「出る」ので有名みたいだ。 天井から手足が出ているのが、見える人には見えるらしい。

北海道の主な国道は走ったはずだが、ここを通ったというはっきりとした記憶がない。
割と新しい立派なトンネルなのに、内部照明のない、真っ暗でいや〜な感じのトンネルを通ったことはあるが、思い違いかも知れない。
最近北海道の夜道にも慣れてきて、最初は避けていた夜間移動もするようになったのだが、ここだけは夜通ろうとは思わない。
他にも、こんな話がある。

話を道路事情に戻そう。
北海道の道路は恐い。 直線部分が多く、信号も少ないため多くの車がかなりの速度を出す。 だから一旦事故が起きると被害が大きくなるのだ。 北海道の交通事故死傷者が毎年全国ワースト1〜2位なのはそのためだ。
それ以外にも、景色が単調で居眠り運転を誘発しがちだったり、落石や路面凍結の危険が高かったりするところもある。
初めて北海道に行く人は、そこに注意して欲しい。