チャップリンの笑い

今、NHKプレミアム10チャップリンを扱った番組をやっていて、興味深く見入っている。
チャップリンの初期の短編は、小粒だけれどキラリと光る笑いがあった。 作品名は忘れてしまったが、砂の中に身を隠し、頭だけ出して辺りを窺っていたチャップリン、追手に見つかりそうになり、慌てて砂を頭にかけるシーンは何かの海洋生物みたいで、腹がよじれるほど笑ったものだ。
彼の作品の中では(もちろん全部観たわけではないが)、私は「モダン・タイムス」と「独裁者」がお気に入り。
「モダン・タイムス」では、自動給食機で無理矢理食事をさせられるシーンと、まるでギャグマンガのように土埃を巻き上げて走り去るシーンが印象に残っているが、中でも一番笑ったのが労働者デモのシーン。
トラックが落とした赤い旗を拾って追いかけているうち労働者のデモ行進と合流してしまい、その先頭で赤旗を振り回したため左派活動家と間違われて逮捕されてしまう不条理さが可笑しい。 モノクロ作品だけど、観始めたらそんな事を忘れて引き込まれてしまうこと請け合いです。