貧乏姉妹物語

16:9画面(ハイビジョン製作)。 原作は未読。 初めてこのタイトルをみたとき、貧乏を笑いのネタにする作品だったらちょっと嫌だな、と思った。
実際のところどうかというと、1話・2話はいい話系だったのでちょっと安心。 アイキャッチが貧乏ネタで笑わせようとしてて少し閉口したけど、これは「辛い生活にも潤いを」ってことだろうと解釈。 だけど第3話はどうなんだろう。


スーパーの特売品を巡って、本当は金満家の姉妹と争奪戦を繰り広げるというストーリーは、本来ならその馬鹿馬鹿しさを笑いながら観るのがスタッフサイドが期待する鑑賞法なのだろうけど、父は借金を作って蒸発、母は次女を産んだ直後に天に召されるというツラい設定が、どうしても軽く笑い飛ばすような観方を阻む。 姉妹の部屋に飾られている家族写真の、父親の顔がマジックで塗りつぶされているところがあまりに重い。
つまりですね、設定がシャレにならないくらいウェットだってことです。


さっきも書いたけど、原作者(製作サイド)としては「笑いとペーソス」とか「貧乏だけど、心までは貧しくないよ」といったことをテーマにしていて、分かり易い例を出せば「ALWAYS 三丁目の夕日」みたいな世界観を狙ったのかも知れない。 それだけじゃありきたりなので、萌えキャラ使ってみました、というところか。
しかし新機軸を打ち出したところは評価できるものの、残念ながら今ひとつ上手くいっているとは思えない。 少なくとも私にとっては。
今は社会も豊かになって生活保障もそれなりに手厚いのだろうから、私みたいに深刻にとらえることはないのかも知れないけど、昔は赤貧生活っていったら命にかかわるものだったしねぇ・・・そういうことを意識するかしないかで、この作品の評価はかなり分かれるんじゃないだろうか。
キャラデザインは嫌いじゃないし、そんなに悲惨な話*1にはならないだろうから、この作品の今後を見届けたいと思います。

*1:フランダースの犬」があまりに悲惨だったため、好きなのにラスト近くの数話が未だ観れない私です