そろそろ読書の秋ですかね

だんだんと秋めいてきましたね。 だからと言うわけではありませんが、探していた本を昨日買って来ました。

高熱隧道 (新潮文庫)

高熱隧道 (新潮文庫)

富山県の黒部に、壁面温度が100度を超えるトンネルがあるとは聞いていましたが、これはそのトンネルを作った男たちの物語ということです。 「破獄」「羆嵐」と、私好みの題材を取り上げてきた吉村氏。 せっかく興味を持ち始めたのに、行き違いのように他界してしまわれたのは残念でなりません。 何だか故・藤沢周平氏のことを思い出してしまいました。


以前、NHKで「腕におぼえあり」という時代劇を放送していましたが、藤沢周平氏はその原作者です。

腕におぼえあり DVD-BOX

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藩主暗殺の陰謀に巻き込まれた主人公が、脱藩して江戸に上り、用心棒稼業で糊口を凌ぐというストーリー。 市井の暮らしに溶け込みながらも、国許から次々に送り込まれる討手に安寧を奪われる主人公。 赤穂浪士との数奇な縁も物語に彩りを添えています。 TVでは大河ドラマ元禄太平記?)の一シーン(刃傷松の廊下)を流用したりと、思い切った演出をしていたのが印象的でした。
面白かったので原作を読んでみようと何度も思ったのですが、当時の私は藤沢周平氏のことは全く知らず、その上原題が「用心棒日月抄(じつげつしょう)」という難しいタイトルでしたから、いつも書名を失念して買い損ねていました。
用心棒日月抄 (新潮文庫)

用心棒日月抄 (新潮文庫)

漸く読むことができたのは、氏の没後、雑誌の追悼記事を読んで作品名を思い出したから。
この作品、評判が良かったらしく続編が三作執筆されていますが、やはり第一作の面白さが出色です。