HZ904 A-19(2)
本年4月期の1アマ試験問題を自分なりに咀嚼しようと始めたこのシリーズ、今年3度目(12月期)の試験が近づいているので、思い出したように(というか、思い出して)残りにチャレンジ。
さて前回は、定在波比を求める問題を電圧反射係数を含む公式を使って解いたのだけど・・・
Wikipediaには下式が記載されていたので、まずこれで問題を解き、続いて公式の導出を試みることにする。
HZ904 A-19(1) - しまうま技研
その公式はWikipediaからの受け売りだったので、前にも書いた通り、今回はその公式がどのように導かれたものなのか考えてみる。
まず定在波比の定義だけれど、元々は定在波電圧の最大値と最小値の比。
だからWikipediaの解説は、ちょっとショートカット気味に思えるんだよね。
話を元に戻すと、定在波というのは進行波と反射波の合成波だから、それらの振幅の最大値をそれぞれととすると、
という式が導ける。
ここまでは文献でみかけたことがあるのだけれど、この式を変形しても最後でつまづく。
それは多分、SWRやその他の値はスカラー量なのに、ρだけはベクトル量だから。
なので、進行波と反射波をベクトルとして, と明示し、上式を書き直してみる。
さて、この式を変形していくと・・・
ここで、Wikipediaにも書いてある「絶対値の性質」(4.にあたる)を利用して、さらに式の変形を続ける。
ここで、は分子分母が同じなので1だし、電圧反射係数ρは
であるから、
となり、Wikipediaで「定義」とされる公式が求まりました。 めでたし、めでたし・・・。
SWRをインピーダンスや電力で求める式については、このエントリ自体長くなったし、もう遅いのでまたいつか。