Myself;Yourself #13「きずな」

きれいにまとまった最終回。
Aパートでは、菜々香の甦った記憶をトレース。 話が彼女の出自にまで及ぶとは思わなかったですよ。
炎の中に立つ人影が彼女の伯父さんでなくて良かった。 もし伯父さんが放火犯だったら、きっとSchool Daysも真っ青のドロドロ展開になって、作品を正視できなかったと思います。
そしてBパートでは佐菜もカミングアウト。 これはまぁ予想通りで特にサプライズはなかったものの、それが主題ではないのでノープロブレム。 二人がお互いの辛い過去を分かち合う事で、ようやく再び心が通い合うようになったのはなによりでした。


そして十年後。
演奏会を控えた菜々香に佐菜が手渡したものは、いわゆる給料の三か月分ってやつなんでしょうけど、ここでもそれそのものをはっきり見せない、抑えた演出が光ってました。 会場には朱里と修輔も来てたけど、こちらも後姿だけでセリフもなし。 こういう含みを持たせた表現は、視聴者の想像を巧く掻き立ててくれます。
その演奏会での菜々香の演目は、彼女自身が作曲した「Myself;Yourself」。 その曲は幼い日、佐菜との別れに際して「再会までに完成させる」と彼女自身が約束したものだったことが、Cパートで印象的に語られます。


別離・反目・嫉妬・狂気・密告・逃避・密通・自傷・・・こうして言葉を並べると気が滅入ってしまうような要素が多い作品でしたが、不思議と暗くならなかったのは、もちろん適度なギャグでバランスを取っていたこともありますが、やはりメインキャラ達が幼少時に育んでいた友情によるところが大きいでしょう。
シリーズ全13話を総括すると、派手さはなかったけど、なかなかの秀作だったと思います。 久しぶりにDVDを買っても良いと思わせる作品でした。 実際に買うかどうかは、今は懐具合が厳しいので微妙ですが、何とか関係者の労苦に報いたいものです。