true tears 第10話「全部ちゃんとするから」

涙を流しながら眞一郎に駆け寄る比呂美と、そのバックに流れる挿入歌「そのままの僕で」に打ちのめされるがよい。


兄妹ではなかったことに安堵する比呂美と眞一郎。 家では伏し目がちだった比呂美だが、もう暗い影はない。 朋与の代わりに板書を写したノートを通して、二人の距離は縮まっていく。 しかし突然、家を出て一人暮らしを始めると言い出した比呂美。 引越しの当日、軽トラックのミラー越しに遠ざかる仲上家を見つめていた彼女の目に、自転車で必死に追いすがってくる眞一郎の姿が飛び込んできた…。
今回は、思い人を諦めようとする乃絵・愛子・三代吉についても描かれているのだけれど、あまり詳しく書くと興醒めするので触れない。


兄妹でないことが分かったものの、眞一郎には乃絵がいる。 比呂美が家を出る決意をしたのは、彼から身を退くためだろう。 そのことは純に切り出した別れ話から明らかだが、眞一郎に「仲上家に来ると決めた理由」を語るシーンにも端的に表れている。 彼女にとって眞一郎は、迷った自分を見つけ出し、労わり、明るいところに連れ戻してくれる存在。 それが幼い頃の祭りの記憶に重ねて語られるのだが、これはもう告白そのもの。 「今はもう、それは望んじゃいけないことだから」こそ、こうして遠回しながら打ち明けたのだろうが、乃絵への遠慮がなければこうはならないはず。
乃絵は乃絵で、眞一郎との隔たりを、雪に埋もれていく「のえがすきだ」に重ねて感じている。 彼女ももう眞一郎のことは諦めているのだが、未練が出てしまうところがいじらしい。


結局、眞一郎が比呂美と乃絵(それに愛子も)を傷つける格好になってしまった。
彼を責める感想もあったりするけど、それはあんまりだな。 三代吉同様、眞一郎は誠実でイイやつだと思うよ。