重い電子・フェルミ面・超伝導

今日のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」は、材料科学の分野で活躍する研究者にスポットライトが当てられました。
様々な業績の中で「鉄とヒ素が主原料の超伝導物質」が紹介されましたが、これまで鉄は超伝導物質の原材料にはなり得ないと考えられていたことから、画期的な研究として高い評価を受けた由。

で、その超伝導現象ですが、基本的メカニズムは解明されてはいるものの、'80年代後半に立て続けに発見された高温超伝導物質の機序を完全に説明できず、現在に至る…というのが私の認識でした。 他にも、以下のような未解決の問題が多々あるようで。

また、重い電子系における超伝導や、高温超伝導強磁性超伝導が共存する物質など従来の超伝導物質と性格の異なるものも発見されている(高温超伝導を参照)。

超伝導 - Wikipedia

ところがタイムリーなことに、その謎の解明に役立つ研究成果が本日(もう昨日ですが)発表されました。

金属中の電子は、動き回って電気伝導を担う「遍歴電子」と、動き回らずに磁性を担う「局在電子」に分けられます。この二種類の電子の間に強い相互作用が働いて混じり合うと、見かけ上通常の電子の10〜1000倍にも重くなったように見える重い電子が現れます。この重い電子の性質を明らかにすることは、磁性と共存する超伝導3)の機構解明につながると考えられています。

日本原子力研究開発機構:プレス発表

難しくって核心部分の理解は容易ではありませんが、いつの日か、噛み砕いて説明できるよう研鑚したいものです。