地上波デジタル放送への移行はスムースに進むのか?
大きなニュースの陰に隠れて目立たなかったが、本日、こんな報道があった。
アナログテレビの開発中止 松下、デジタルに一本化
松下電器産業は18日、国内市場向けのアナログテレビの開発を中止することを明らかにした。アナログ放送終了を5年後の2011年に控え、アナログからデジタルテレビへの買い替えが進んでいくためで、来月1日に発売する液晶テレビ以降、新製品はデジタルテレビに一本化する。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060118-00000054-kyodo-bus_allより抜粋)
地上波デジタルテレビの普及率はまだまだのようで、ために私の知人などは「2011年になってもアナログ放送はなくならないだろう」と言っているが、こうしてデジタル化の波はひたひたと進んでいるようである。
地上波デジタルの普及を阻む要因には、ざっと以下のようなものが考えられる。
- 難視聴地域の解消が進まない。
- 放送局側に多大な設備負担を強いる。
- 受信機器の品種が少なく、高価。
難視聴対策については、かつては中継局を増やす取り組みが行われていたようである。 実際、1980年代前半くらいまでは、NHKのスポット広報でそうした活動が報告されていた。
CATVが導入された地域もあったが、やはり切り札はBS放送であろう。 BS本放送が開始されて以来、難視聴に関するスポット広報を見聞きした記憶がない。
BSデジタル放送は地上波に先行して始まって久しいし、現在ではインターネットという補完メディアもある。
「放送と通信」の垣根の問題はあるにせよ、難視聴対策の遅れは致命的なものにはならないであろう。
次に「放送局側に多大な設備負担がかかる」点だが、これは何だかんだ言いながらも、放送事業が免許制であることもあって、粛々と進んでいるようである。
官主導で出費を強いられるとあって放送関係者は不満たらたらだが、従わなければ免許が取り消され、新規参入事業者に取って代わられる恐れがあるため、不承不承従っている、という感じだ。 反骨の人もいるようだが・・・。(http://www.hirataku.com/contents/seisaku/seisakus/analog1.htm)
受信機器の品種が少なく高価だという問題は、最近は解消されつつあると思う。
特に昨年12月、首都圏の広範囲で受信が可能になったためか、地上波デジタル放送対応機器が増えたような気がする。
上述のように阻害要因は徐々に解消されているので、地上波デジタル放送の普及に関しては、私は楽観的な見通しを持っており、2011年のアナログ放送終了は十分あり得ると考えている。
そんな私だが、実はまだ地上波デジタルを導入していない。 何故かと言えば「既存のアナログテレビがまだ使えるから」というのが、その理由である。
私のテレビはソニーのWEGAだ。 そう、一世を風靡したFDトリニトロン管搭載機種。
ウチの先代テレビが壊れたちょうどその頃、巷はWEGAが火をつけたフラットフェイステレビブームの真っ最中であった。 だから同時期に買い替えた人も多いであろう。
テレビの耐用年数はだいたい7〜8年くらいだから、今使っているテレビが故障するまで、平均的にはまだ1〜2年くらい余裕があることになる。
あと1〜2年くらい待って、今のテレビが天寿を全うしたら買い替える。 それが私のシナリオだ。
同じことを考えている人は多いと思われる。
もっともそれ以前に、地上波デジタルチューナー内蔵のHDDレコーダーを買い足すことになるだろうが、これまた同じことを考えている人が多そうである。
デジタル放送にはコピーコントロール機能が導入されているが、これも相当評判が悪く、普及の阻害要因になっているかも知れない。
確かに合法的な私的利用にも制限が掛けられてしまうのは不便ではあるが、著作権者の権利を保護するためには致しかたないと思う。
最後に、地上波デジタル放送がどのように普及していくか、総務省のスケジュールを加味して予想してみる。
(特に説明がない限り、個人的な予想です。 根拠はあまりありません)