北國銀行の奇妙な主張

id:LEOat氏の昨日の記事(北國銀行無断リンクは「不正競争防止法違反になります」と警告)から。

3. リンクについて
(1) 当ホームページへのリンクを希望される場合は、下記連絡先までお申し出ください。なお、当ホームページに無断でリンクすることは不正競争防止法違反になりますので、ご注意ください。

著作権を根拠に無断リンクを禁止する規約はよく目にしますが、これは不正競争防止法を持ち出してきているところが新鮮。
確かに、場合によっては当該法違反になる可能性もなくはないでしょうが、だからと言って断定も出来ないでしょう。 威圧的な文章が恫喝っぽくてちょっとイヤですねぇ。
まず、ここで下記2点をはっきりさせておきましょうか。

  1. リンクとは「あの情報なら、そこにある」ということを記述したものに過ぎない。(=引用とは違うもの)
  2. 引用は一定の条件下において、著作権者の許諾を受けずとも行うことが出来る。

さて北國銀行さんの無断リンク禁止条項ですが、私は同行の主張について私なりの意見を述べたいと思い、こうしてブログに書いているわけです。 その際にソースを示すことは重要なことであるはずですが、「無断リンク禁止」を言い換えると「情報の在り処を勝手に教えてはいけない」ということで、これは相当無茶な言い分です。
だいたい古来より人の口に戸は立てられぬと申しますように、人の言動にいちいち注文をつけることは出来ません。 これは周知の事実であるはずなのに、ネットだと何故このような主張がまかり通るのでしょうか。 百歩譲って無断リンク禁止を認めるとしても、以下のような記述は可能なのに、です。

  • http://www.hokkokubank.co.jp/other/goriyou.html(URLは示しましたが、リンクしてませんよ)

さらにこの記事では元の規約を一部引用していますが、これも「引用元を明示」して「引用文が従、私の文章が主」という体裁を守っており、引用の目的も問題ないものだと考えます。 こうした意見表明まで封殺してしまいかねないのが「無断リンク禁止」や「無断引用禁止」の本質なのですから、「俺様ルール」と揶揄されるのも無理はないでしょう。
本件に関するブログ記事もいくつかありますが、殆どが「無断リンク禁止」に否定的な見解のようです。

北國さんの条項は、たぶん「事なかれ主義」から出たものでしょうが、リンクや引用の本質をよく理解できていないように見えてしまって損だと思うんですけどね。