1アマ試験問題(法規)に関する疑問点(2006年8月28日 記)

最近の傾向として「国際電気通信連合憲章」の規定からの出題が増えているようです。
少々古い過去問題集では出題事例があまり収録されておらず、電波法令抄録の巻末に収録されている条文で自己採点することになるのですが、抄録では省かれてしまっている部分からの出題がありました。 問題A-20です。

次の記述は、無線通信の秘密について、国際電気通信連合憲章に規定する無線通信規則の規定に沿って述べたものである。[   ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の1から4までのうちから一つ選べ。


 主管庁は、国際電気通信連合憲章及び国際電気通信連合条約の関連規定を適用するに当たり、次の事項を禁止し、及び防止するために必要な措置を執ることを約束する。
(1) 公衆の一般的利用を目的としていない無線通信を[ A ]すること。
(2) (1)にいう無線通信の傍受によって得られたすべての種類の情報について、許可なく、その[ B ]を漏らし、又はそれを[ C ]こと。


(以下省略)

条文の内容そのものは電波法でも規定されていることですから、だいたい察しはつきます。
しかし自己採点のため「電波法令抄録」で確認しようとすると、この部分は省略されて掲載されていません。 正式な法令集の代わりとして総務大臣が認定している書類に載っていないのですよ。
法規は計算問題と違い、言わば「暗記モノ」ですから、抄録の掲載範囲外からの出題はアンフェアじゃないかと思うんです。


重箱の隅をつつくような出題は相変わらず。 今回は問題B-1が出色でした。

次の記述は、アマチュア局の廃止等について、電波法の規定に沿って述べたものである。[   ]内に入れるべき字句を下の1から10までのうちからそれぞれ一つ選べ。なお、[   ]内の同じ記号は、同じ字句を示す。


① 免許人は、その無線局を[ ア ]ときは、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
② 免許人が無線局を廃止したときは、免許は、その効力を失う。
③ 免許がその効力を失ったときは、免許人であった者は、[ イ ]以内にその免許状を[ ウ ]しなければならない。
④ 無線局の免許がその効力を失ったときは、免許人であった者は、遅滞なく[ エ ]を撤去しなければならない。
⑤ ④の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。
⑥ ①の規定に違反して届出をしない者又は③の規定に違反して免許状を[ ウ ]しない者は、30万円以下の[ オ ]に処する。


1 過料     2 科料     3 1箇月     4 送信装置    5 廃止する
6 返納     7 廃棄     8 空中線     9 10日     10 廃止した

機種依存文字(丸付き数字)使ってますが、原文がそうなのでご勘弁を。
さてこの問題、5番目の「30万円以下の"罰金"」という文言は別に目新しいものではありませんが、6番目も同じ「罰金」かと思って選択肢を探すと・・・ありません。 過去問題を見ても5番までで、6番目は最近のアレンジで追加されたもののようです。
残るは「過料」か「科料」か、ということになりますが、結論から言えば過料(軽い行政罰)でした。 ちなみに科料とは、軽い刑事罰だそうで。
改めて電波法を見直して出題の元となった条文を探しておきましたので、興味のある方はご確認下さい。

  • 第二十二条
    • 免許人は、その無線局を廃止するときは、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
  • 第二十三条
    • 免許人が無線局を廃止したときは、免許は、その効力を失う。
  • 第二十四条
    • 免許がその効力を失つたときは、免許人であつた者は、一箇月以内にその免許状を返納しなければならない。
  • 第七十八条
    • 無線局の免許等がその効力を失つたときは、免許人等であつた者は、遅滞なく空中線を撤去しなければならない。
  • 第百十三条
    • 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
      • 十八 第七十八条の規定に違反した者
  • 第百十六条
    • 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。
      • 二 第二十二条(第百条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して届出をしない者
      • 三 第二十四条(第百条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、免許状を返納しない者