パンプキン・シザーズ

物語の舞台は、どこか第一次大戦後のヨーロッパを思わせる架空の世界。 帝国と共和国の戦争は停戦条約によって一応終結するが、敗残兵が野盗化し治安が乱れ、戦後復興は遅々として進んでいない。
そんな中、戦災復興支援を目的とする通称「パンプキン・シザーズ小隊」が帝国陸軍に編成される。 彼らの任務は各地の調査と報告だが、正義感の強い小隊長・アリス少尉は「悪・即・斬」をモットーに、治安を乱す愚連隊に戦いを挑む。
その場に大柄で一見朴訥なオーランド伍長が居合わせて・・・というお話。 詳しくは公式サイトを参照されたし。 説明が簡潔明瞭で分かりやすい。

主人公・オーランド伍長は元901-ATT(Anti-Tank Trooper)部隊の生き残り。 単身でも戦車と渡り合える超人的な戦闘力を秘めているという設定に、いやがうえにも期待感が膨らむ。
第1話では、戦術毒を扱う903-CTT部隊の残党との死闘が描かれる。 状況説明的なセリフが多少興を削ぐが、見応えは十分。 第2話は、戦車を使って人間狩りをする狂気の貴族との戦いだった。
とても乱暴な例えだが、「水戸黄門」の世直し行脚を想像してもらえば話は早い。 ただし「正義感の強い小隊長」「どこかシラケながらもふと強い使命感を垣間見せる二人の部下」「戦争で心に深い傷を負いながらも戦後復興に希望を見出す伍長」という人物造形が、物語に深い陰影を作り出すことになりそうだ。 単なる勧善懲悪モノでは終わらないだろう。
一方で、オーランド伍長が"対戦車兵"であるため、敵はいつも戦車じゃないのかという懸念もある。 さすがに戦車ばかりでは飽きが来てしまうので、そこは何とかするのだろうが。
なんだかんだ言っても、続きが待ち遠しい作品のひとつです。