SF考証二題

軌道エレベータ想像図(NASA)

銀色のオリンシス」でトキトたちが目指している"空への扉"−軌道エレベータ
TVAでは「超時空世紀オーガス」で取り上げられたのが最初ではなかったかと。*1
静止軌道(赤道上空約36,000km)以上までそびえ立つ建造物など、理論的には可能でも実現は絶対不可能と思ってたら、最近ではそうでもないようで・・・。

2018年4月に予備実験が行われる予定らしい・・・大真面目に研究されていたのか。 カーボンナノチューブの話は聞いていたけど、そこまで強度があるとは知らなかったよ。
しかしリボンじゃ、実用化には程遠いよなぁ・・・実現するためには、素材・構造・建造法といった技術的な課題の他に、政治的・経済的な課題もクリアする必要がある。 とても我々が生きているうちに完成はしないでしょう・・・。
ところで軌道エレベータ想像図ですが、これはパブリックドメインで、ウィキメディア・コモンズから頂戴しました。


もうひとつ、「奏光のストレイン」での亜光速では正面に(ビームを)打てないという設定だが、これは明らかに科学考証ミス。
そもそも速度とは相対的なものなので、地球に対して亜光速であっても交戦している艦隊が同じ運動系にあるならば、静止しているのと何ら変わらないはずだ。 加速(減速)中なら話は別だが。
なのでこの設定、リアルに見せるためにはひと工夫が必要なはずで、実際のところ上手く活かせないんじゃないかと思う。

*1:この作品、殆ど観たことないんですが・・・確か、軌道エレベータの領有権を巡る戦争でDimension兵器が使われ、主人公が異世界に吹っ飛ばされる物語だったはず。