作品への好悪と評価は分けて考えようじゃないか

昨日「まなびストレート!」のエントリを書いたけど、それまで他のブログはなるべく読まないようにしてた。 引っ張られるといけないと思ったから。
書き終えてから改めて見てみると、賞賛ばかりだと思っていた意見の中に「失敗」とまで言い切るものがあって意外に思った。

このアニメが明らかに「涼宮ハルヒの憂鬱」の大ヒットを意識して作られたのはもう言うまでもないが、
結果としてアニオタの大部分に失笑を買ったまま終わる事になってしまった。これはなぜだろうか?
安定した作画、動きまくりの動画、見るものをひきつける演出。どれもがクオリティ高かったはずだ。
ではなぜ「まなびストレート」は失敗したのか。

なぜ「まなびストレート」はハルヒになれなかったのか?

「まなび〜」が「ハルヒ」を意識して制作されたってのは周知の事実なん? アニメ誌を買わなくなって久しいんだけど、制作者インタビューでそんなことが書いてあったのだろうか? 「明らかに」なんて言い回しがあるから、逆に推定だろうって思えるんだが。
客観的に見て「ハルヒ」と「まなび」の類似点って、学園祭ライブがあるところくらいじゃないか? そんなミクロな視点での比較は、あまり意味がないように思う。
また、ブログ検索で反応を見ても「アニオタの大部分に失笑を買った」ようには見えないから、「失敗した」とも思えない。

まず最初に、ロリオタ受けを狙ったつもりだったのに、ドン引きされたキャラクターデザインが1つ。
次に、2話で初公開されたOPの痛々しい「オサレさ」。
そして極め付けが、文化祭のメインイベントでライブをやってしまう空気の読めなさ。
ハルヒと同じ事をやった、でも痛々しいが、問題なのはufoが文化祭=ライブと言う発想しかなかった事。
ここが、近い時期に同じ文化祭ネタをやったコードギアスだと「巨大ピザ」なのである。

まなびストレートが失敗した理由

キャラデザインについては、私も「何で歳相応にしないんだろ?」と疑問を持っているクチだが、オタはこの程度でドン引きしたりしないんじゃないの?
OPについては、確かにちょっと「気取ってる」感じがして、個人的には馴染めなかったな。
文化祭のメインイベントがライブだとダメで、巨大ピザならOK(?)ってところがよく分からん。


総じて「何が失敗と言っているのか(理由らしきものは書いてあるけど)良く分からない」んで、残念ながら共感はできないな。 どうしても嫌悪感から否定に走っているように見えてしまう。
ここまで分析できるんなら、作品に対する好悪と評価を分けることもできたんじゃなかろうか。
好き嫌い、これは理屈ではどうしようもないもんだから嫌いなら嫌いで仕方がない。
だけどキャラデザインや脚本、演出、作画、動画といった観点での評価はある程度客観的にできるものだし、それらが全て「まるでダメ」なんて作品はそう多くはないんだから、良いところは素直に認めたいもの。


私は昨日「まなび」を肯定するエントリを書いたけど、全肯定しているわけじゃない。 後半に書いたように共感できない部分もあるのだが、それは作品の良し悪しとは分けて考えるべきものだと思ってる。
気に入らないからといって脊髄反射的に全否定する「オレ様は標準原器」的態度では、結局現実とのギャップに苛立ち、不満が募るばかりだろう。
もっと寛容になろうや。