HZ904 A-10

これも計算問題というにはちょっと毛色が違うけど、一応取り上げておこう。

アナログデータをデジタルデータに変換するA-D変換は、以下のステップを経て行う。

  1. 時間的に連続するアナログ量を、一定の(微小)時間間隔で分割する。(標本化/サンプリング)
  2. 標本化したデータを、離散値に近似させ符号化する。(量子化

標本化周波数f_s[Hz]で標本化するということは、1秒間にf_s個のデータに分割すると言うこと。
それをnビットで量子化するのだから、1秒あたりf_s個のnビットデータができることになる。
つまりビットレート
nf_s[bps]
なので、答えは選択肢5。 以上。


・・・あまりにあっけないので、少し余談を。
これはA-D変換の基礎中の基礎だけど、実用的な情報伝送には、もう少し高いビットレートが必要になる。
デジタルデータは"0"と"1"のどちらかの値しか取らないから、例えデータがノイズによって少々崩れても(例えば"1"が"0.75"になっても)、閾値を超えない限り元のデータに復元できる。 だからノイズに強いのだ・・・しかしこれはタテマエ。
デジタルデータの伝送エラーは、実は結構頻繁に起こってる(伝送メディアによってエラーレートは異なるが)。
なのでエラー訂正符号がないと、とてもではないが実用にならない。 その分、付加されるデータが増えるから高いビットレートが必要になるわけ。


CDの場合、リード・ソロモンコードというエラー訂正符号を使ってる(同時にクロスインターリーブもかけている)。 これは強力なエラー訂正能力を示す割には、CRCなどと同様、比較的簡単な回路で実現できるという特徴がある。
さらにEFM変調によって、16(8+8)ビットのデータは28(14+14)ビットに変換されディスクに記録されるので、より一層高いビットレート(広い帯域)が必要となる。

もちろんCDはステレオだから左右両方の音声データが含まれているため、ビットレートは単純計算でさらに倍になるが、これは伝送エラーとはまた別の話。
なんだか纏まりのない終わり方だけど、今日はここまで。