HZ904 A-17

本番では痛恨のケアレスミスで落としてしまった問題。

一般家庭に届けられているのは100Vの交流だけど、この100Vと言うのは実効値であって、最大値は約140Vに達する。 交流の場合、最大値を\sqrt{2}で割ったもの、それが実効値になるのだが、その辺はWikipediaで解説されている通り。

ただ、この解説は数式だけしか書いてなくて難しいね。 グラフを描いてその面積を求めてやると視覚的に理解できるのだけど、これはまた別の機会にでも触れようか。 ここでは 最大値=\sqrt{2}実効値 を既知の知識として話を進めよう。


問題の半波整流回路は、ダイオードに逆方向の電圧がかかっている間は入力側に電流は(ほとんど)流れず、その間はコンデンサに蓄えられた電荷が穴埋めをする。 この回路は効率が悪く、しかもリップル分を減らすのに相当容量の大きなコンデンサが必要となるので、実際はダイオードブリッジを使った全波整流回路を用いるのが普通だ。


さて、このダイオードに必要な逆耐電圧の大きさは、逆向きにかかる最大電圧から求めることになる。
コンデンサがなければ、逆方向にかかる最大電圧は実効値に\sqrt{2}を乗じたものになるが、平滑コンデンサには交流入力が順方向の時に蓄えられた電荷により、入力電圧の最大値に等しい電位差が生じている。 その向きはダイオードの逆方向だ。
従ってダイオードにかかる逆向きの最大電圧は、入力電圧の最大値にコンデンサの電位差(どちらも同じ110\sqrt{2})を加えたもの、即ち
110\sqrt{2}\cdot2[V]
となる。
\sqrt{2}≒1.41とすれば
110{\times}1.41{\times}2 = 310.2[V]
となり、答えは選択肢2の310[V]ということになる。


ところが私は、本番で110[V]を代入すべきところ、うっかり100[V]を代入してしまった。
その結果、計算結果は
100{\times}1.41{\times}2 = 282[V]
となり、選択肢3の280[V]を選んだ次第。
考え方は正しかったのに間違ったのは悔しい。 これが原因で落ちていたら、きっと身悶えして後悔していたと思う。