HZ904 A-22

今年4月期1アマ無線工学試験の、最後の計算問題。


とりあえず図を描いてみます。

本番では、ここでうぐぅと詰まってしまいました。 これは、正割の法則を知らないと解けない問題なのです。


えー、正割とは人の名前ではありません
三角関数のひとつである\sec(セカント)のことで、余弦\cos(コサイン)の逆数であります。


\sec\theta=\frac{1}{\cos\theta}


そして正割の法則とは、電離層で反射される電波の最高周波数f_{max}は、電離層への入射角を\theta、電離層の臨界周波数をf_{c}とすると以下の関係が成り立つ、というもの。


f_{max}=f_{c}\sec\theta


この最高周波数が、二点間で電離層を使って送受信できる最高使用周波数(MUF)、ということになります。(これ以上高い周波数の電波は、その電離層を突き抜けてしまうので)
ここで、先ほどの図に入射角\thetaを書き加えてみます。


入射角\thetaは三角形の辺の比から求められますが、知りたいのは\sec\thetaなので、わざわざ角度を求める必要はありません。 この図だと、\sec\thetaは斜辺の長さを高さで割ったものになります。
そして斜辺の長さですが、これはピタゴラスの定理から求めることができます。 もっともこの三角形は、辺の比率がちょうど3:4:5になる直角三角形ですので、少しだけ計算の手間が省けます。
以上のことから、求めるMUF(最高使用周波数)は


\begin{eqnarray}f_{max}=12.6\times\frac{500}{300}\\=\frac{12.6\times5}{3}\\=\frac{63}{3}\\=21\end{eqnarray}


となり、選択肢4の21[MHz]が正解ということになります。


さて、今年最後の1アマ試験も間近に迫っていますので、合格を目指している方は是非頑張って下さい。
ただ、8月期から出題傾向がかなり変わってしまったようで、ここまで書いてきてナンですが、この一連のエントリはあまり役に立たないと思います。 元々自分の知識を整理するために始めたものですから、悪しからずご了承下さい。