血液型性格診断について

先日のエントリ(念波 - しまうま技研)と矛盾するようなことを書くけれど、私は結構占いが好きだったりする。
もちろん、「あなたのラッキーカラーはピンク」とか言われてピンクのスーツを買ったり、「子の方角は凶方」と書いてあったからといって外出先を変えたりするような、そんなハマり方はしていない。 どっちでも良いような判断を下すとき、たまに思い出して参考にする程度であり、それは血液型性格診断についても同様である。
私は自分の血液型を強く意識しており(それはプロフィールの一文を見てもらえばお分かりだと思う)、実体験からは薄っすらとした相関があるように感じているが、自己暗示(バーナム効果)の可能性は否定しきれないし、科学的に否定されていると言うのなら、ことさら異議を唱えるつもりはない。
ただ、この件に関しては幾つか素朴な疑問があるので、順を追って述べて行きたい。


まず、血液には型というものが存在し、のみならずその違いは体液全般、そして臓器にも存在するという、厳然とした事実がある。
もちろん、「だから性格にも影響している」などというのは論理の飛躍というものだ。 しかしこの「体質」の違いがいろいろなものに影響し、間接的に気質にも若干影響すると考えるのは、むしろ自然なことに思える。


次に、確率論的な有意差について。
ABO式血液型に関して言えば、確率論的にはA型・B型が多く現れ、次いでO型・AB型が同じ比率で出現するはず。 然るに日本人の場合、A型約40%、O型約30%、B型約20%、AB型が約10%という構成比率となっている。 地域や民族によってこの比率が大きく異なるが、この偏りが何に起因するのかが良く分からない。
単なる偶然なのかも知れないが、男女間の相性(まさに性格・気質)によるものかも知れない。 或いは受胎率・出生率・生存率の違いによるものか?
この偏り、地域・民族によってかなり異なることから、逆に過小評価されている気がする。 しかし母集団が数百人程度ならいざ知らず、日本に関しては母集団は1億人オーダーですよ? そしてその構成比が、日本人以外ではガラっと変わるこの不思議。 確率論的には十分な有意差があるように思えるのだが。


最後に、性格とか気質といったものの、定量化の難しさについて。
私は、血液型と性格(気質)との関連について、Wikipediaの記述を借りれば「現状では、特定の関連は知られていない」(或いは「血液型と性格に科学的因果関係は発見できていない」)と理解している。
しかしネットで調べてみると「血液型と性格との関連性は否定されている」という趣旨の記述を複数みかけた。 この種の問題を全否定するのは、全肯定するのと同じくらい難しいことだと思うのだが。
なぜ全否定も全肯定も難しいのかといえば、そもそも性格とか気質などというものが、定量化が困難だからである。
関連性が否定されているという根拠(一次ソース)を知りたいのだが、どうも「お粗末な統計や研究に対する反証」ばかりで、今ひとつ説得力に欠ける気がする。


Wikipediaでも、これについてはエディターの意見が割れていて、編集合戦になりかかっているようだ。
Wikipediaで「血液型」について調べると「血液型と性格」という項があり、そこから「血液型性格分類」という別項へのリンクが張られていて、以下のようなことが書かれている。

血液型と性格を結び付けてしまっている古い価値観に縛られた人がいる。なかなか偏見や嫌がらせが無くならないのが現状である。

血液型性格分類 - Wikipedia

血液型と性格を結び付けることを「古い価値観」と断じているところが、中立を旨とするWikipediaらしくない。 別の箇所ではユネスコの人権宣言まで持ち出しているが、それは「血液型と性格は無関係である」ということの根拠にはならない。
血液型による偏見や嫌がらせがあることは思いもよらなかったし、それが事実とすればけしからんことではあるけれど、これでは「差別や偏見を無くすために、血液型と性格との関係性を否定したい」と言っているのも同然だ。 ちょっと前に見た時には、こんな別項はなかったはずなのだが・・・。
この項目のノートを見ると、いろいろ議論が交わされていることが分かる。
議論は大いに結構だが、感情論ではない、論理的で検証可能なやり方で行って欲しい。