第1回 湯涌ぼんぼり祭り参戦記

湯涌ぼんぼり祭り

公式には何処にも「第1回」などと記載されてはいませんが、間違いなく今年初めて開催されるこのお祭り、当然ながら私も参加しました。


現地では、一人で泊まれる宿が限られているので金沢のホテルを予約しましたが、車で乗り付けられないのが痛い。 なのでバスで向かうしかないのですが、始発は間違いなく混むと思ったので、お昼ちょっと前にホテルを出発。 金沢駅の3番バス乗り場に着くと長蛇の列が出来ていてゲンナリしましたが、すぐにバスが来て意外とあっさり列が短くなりました。 そこで私も最後尾に並びます。 前には10人ほどしかいませんでした。 当初のダイヤでは1時間に1本の予定でしたが、頻繁に増発されているようです。 どうも30人以上並ぶと増発便を出すらしく、実際には凡そ30分に1本の割合で運行していたようです。


バス乗り場では記念乗車券を発売していました。 購入枚数に限定はないとのことで、保存用込みで2枚購入。

バスは始発から満員で、途中のバス停から乗れた人はごく僅か。 バス停で待っていた人たちの表情には諦めの色が漂っていました。


そんなこんなで湯涌に到着した私は、温泉街をブラブラしながら祭りの雰囲気を写真に撮っておりました。

想像していたようなひどい混雑はありませんでしたが、物販の待機列は大変なことになっていると予想していたので、今回は全てパス。 湯涌で購入したのは、のぞみ札と臨時シャトルバス用の記念乗車券のみ。 さらに路線バス用の記念乗車券ももう1枚購入しました。



これは、一旦ホテルに戻って夜にまた出直す時のためのもの。 当初からそのつもりで軽装で出て来ましたから、日中の陽射しも気になりませんでした。 玉泉湖をひと回りしたり軽食を摂ったりして2時間ばかり過ごしたあと、帰途につきました。


バス停では待機列がなかったので係員さんのそばでまっていたのですが、バスが来ると同時に人が集まってきて割り込まれました。 係員さんには、ちゃんと誘導を行って貰いたかったですね。 来年は改善されていることを期待します。


さて金沢駅まで戻ってみると、出発したときとは比べ物にならないくらい長い待機列が出来ていて、湯涌に出直す気力が一気に萎えました。 実は、二輪免許を持っているのでバイクで乗りつけようかとも考えたのですが、羽咋まで行かないとレンタルできないようなので断念。 レンタサイクルという手も検討しましたが、湯涌までの道のりはアップダウンがある上に夜は真っ暗なのでヤバイと思い、これも諦めました。 それで半ば仕方なく、ホテルでUSTREAMを観て済ますことにしたのです。


巡行が始まると、コメント欄に「オタクの進軍ww」とか「百鬼夜行ww」とかいうヒドイ書き込みがあって、腹を抱えて笑いました。 現地入りしていた西村監督はTVA「ぬらりひょんの孫(一期)」の監督でもあるので、「百鬼夜行」とか上手いこと言うなぁと妙に納得。
ところが中継の映像切り替えが巧みで、「まるでゆく年くる年のよう」などという肯定的なコメントが増えていき、ハイライトのお焚き上げが荘厳だったこともあって、その頃にはもう冷やかしのコメントは殆どなくなっていました。


中継では人の多さはよく分からなかったのですが、観光協会のホームページでその様子が紹介されていました。

当初予想していた通り、「暮れのアメ横」状態です。 7月のぼんぼり点灯式には500人が参加したそうですが、今回はその10倍もの人が集まったのだとか。

 ぼんぼりは湯涌稲荷神社の境内や参道に計30基設置された。地元住民やアニメファンら500人以上が集って点灯式が行われた後、参加者が順番に境内へ進み、願い事を書き込んだ「のぞみ札」を奉納した。

湯涌にアニメの世界 水害3周年イベント

 湯涌温泉観光協会の湯涌ぼんぼり祭り(本社後援)は9日、金沢市の同温泉街で行われ、同温泉の風景をモデルにしたアニメ「花咲くいろは」に登場する「ぼんぼり祭り」が再現された。地元住民やアニメファンら約5千人(主催者発表)が見守る中、願い事を書き込んだ「のぞみ札」がたき上げられ、金沢の奥座敷を明々と照らした。

「花いろ」聖地、湯涌に5千人 アニメの「ぼんぼり祭り」再現

これだけの人数でも帰りのバスに大きな混乱はなかったとのことで、北鉄バスは高く評価されていました。
ただ、やはり湯涌に泊まれていれば帰路の心配もなく、じっくり楽しむことができたでしょう。 来年のぼんぼり祭りは、今年以上に宿の手配が難しくなりそうです。


しかし保守的だと思っていた金沢が、ここまで本格的にアニメを主軸にした観光誘致をやるとは思ってもみませんでした。 シンクタンクにお勤めの方が過去に以下のような研究報告をされているので、それがようやく実を結んだのかも知れません。

金沢市内のホテルで開催された研究会に出席し、北陸地域の経済活性化策について有識者の方々と議論してきました。産業政策と文化政策の融合が議論のテーマの1つだったので、私はプレゼン資料の中で富山県のアニメ産業についても触れつつ報告してきました。

金沢にて - 歩きながら考える

2011年10月22日追記

変人窟さんがリンクを張って下さいました。

写真の多さに圧倒されます。 他にも色々な点で私のエントリは見劣りしますが、ちょうどフィルムが現像から上がってきた*1ので、その中から幾つか追加でアップしておきます。



ぼんぼり祭り当日の石段。 踊り場に中継カメラ用の三脚がセッティングされています。



湯涌稲荷神社の石段。 画面右上のぼんぼりに注目。



(株)インフィニットは、TVA「花咲くいろは」をプロデュースしたナガッチョこと永谷敬之氏が立ち上げた会社です。



玉泉湖にセッティングされていた中継用カメラ。 お焚き上げ場の撮影用です。



湖面にせり出して設営された、お焚き上げ場。



湖畔に沿ってずらりと並べられたぼんぼり。



北鉄バスの本気を見た」と賞賛された電光表示。 臨時路線だからこそ出来た芸当。 バス停の名標も「湯乃鷺温泉」仕様。


以下、一夜明けた湯涌の街並み。



前日5,000人が押し寄せたとは思えないほど整然としていて、ゴミひとつ見当たりませんでした。



夢二館前、風に揺れるぼんぼり。


当初は一回限りかと思われたぼんぼり祭りですが、既に発表されている通り、来年も開催されます。
今回はイベントや物販もあって大賑わいでしたが、今回の1/10でも全旅館が満室になってしまう小さな街ですから、小ぢんまりとした祭りになったとしても、それはそれで風情があるのではないかと思います。

*1:はやくデジイチが欲しい…