車載用5V電源(iPad対応)製作

以前、Bluetoothハンズフリーヘッドセット用に簡易USB電源を作ったことがありました。

これ、ケースのことをあまり真剣に考えていなかったので実際に使う段になって行き詰ってしまい、あれからもうすぐ5年経つというのにまだ剥き出しのままうっちゃってます。
そうこうしている間にiPadなど車内で活用したいデバイスが増えたり、より高機能なパーツが新発売されたりしたので心機一転、5V電源を作り直すことにしました。


まず、今回使用するのはコーセル社の新製品。

旧タイプが霞んでしまうほどの大出力。 しかも幅広い入力電圧に対応しているシリーズもあり、12/24V兼用の電源が作れます。
3Aも取り出せれば十分でしたしトラックに乗る予定もありませんが、私は欲張りなので12-24V対応の6A(30W)タイプを購入しました。
(ところで、「コーセル社の製品はみんなこれに切り替わった」というお店が秋葉原にありますが、そんなことないので念のため)


今度は失敗したくないので、事前に部品レイアウトを十分に検討しました。 また念のためブレッドボード上で動作検証も行ってます。 その結果分かったのは、「iPadは差動信号ラインに細工しないと充電しない」ということでした。
当初は電源ライン(1, 4番ピン)だけ配線すればいいだろうと思ってましたが、信号ライン(2, 3番ピン)がオープンだと、iPadは急速充電してくれません。 そこでダメ元で2-3をショートしてみたら、意外にあっさりと充電を始めてくれました。
ただ、ショートというのは端末側に悪影響が出そうなので間にいろんな値の抵抗を入れて探ってみたところ、300kΩまではokでしたが、500kΩ以上だとオープンと変わらないことが分かりました。
また、iPadはマトモなUSBバイスホスト(2, 3番ピンが15kΩのプルダウン抵抗で接地されている)でも充電してくれません。
そこでジャンパピンひとつでマトモなUSBバイスホストっぽくなるよう回路を工夫し、間に30kΩの抵抗を挿むことにしました。 ジャンパを外してGNDから浮かせるとiPadは充電を始めます。 その状態では2-3番ピンの間にごく微弱な電流(7μA)が流れていました。
これ、実はiPadが2, 3番ピンの電圧を見ていて急速充電できるかどうか判断しているようです。

この原因は、実はUSBデーター線の認識にありました。いろいろと実験してUSBデーター線をある電圧にするとiPad側で充電を開始してくれる事がわかりました。

iPad同期・充電切り替え器作製計画

なお「iPad対応」と銘打ちましたが、実際に充電動作を確認したのは初代iPadのみですのでご注意下さい。


パイロットランプ(LED)は、今回は入力側にも付けることにしました。 ただコンバーターは12/24V兼用ですので、ただの抵抗だとちょっと具合が悪い。 なのでここには定電流ダイオードを使いました。 まぁでも、少々電流値が変わっても最大定格を超えない限り、それほど問題にはならないようですが。
こうしたことをブレッドボード上であれこれ確認したのですが、証拠(?)写真を撮り忘れました。 かろうじて残っているのがこれだけ。

これをケースに入れ、動作確認しているところ。

 

最終的に、こんな形で車に取り付けて使っています。