うるう秒

最近は殺伐としたニュースが多いので、ちょっと目先を変えた話題を一席。
私のアンテナに「情報通信研究機構」が登録されているので既にご存知の向きもいるかもしれないが、来年1月1日午前9時(日本時間)、その直前にうるう秒が挿入される。
つまり1月1日は午前8時59分59秒 -> 60秒 -> 9時00分00秒という具合に推移する。
詳しくはこちらと、そこから辿れる情報をアクセスされたい。


うるう秒情報


地球の自転は潮汐摩擦などが原因で変動しているが、基本的には24時間より僅かに長いようで、これが原因で原子時計での計時(TAI:国際原子時)と差が生じる。 これを補正するのがうるう秒である。
1972年に協定世界時UTC)の定義が改められて以来、これまでほぼ毎年のようにうるう秒が挿入されてきたが、ここ数年はこれまでになく自転の遅延が緩やかで、うるう秒の挿入がなかった。
最後にうるう秒が挿入されたのは1999年のことだから、考えてみれば21世紀初のうるう秒、ということになる。


うるう秒の挿入は、1月1日 00:00(UTC) か 7月1日 00:00(UTC) の直前に挿入されることになっている。(どちらかが予備日、ということだったと記憶している)*1
だから日本標準時JST)だと午前9時直前、ということになるわけだ。
JJYでは既に今月2日からうるう秒を示すコード(LS1, LS2)が付加され、送出されている。


JJYタイムコード


なので高級な電波時計なら誤差は生じないだろうが、毎正時、或いは日に1回しか時刻補正しないタイプのものでは、その間、1秒ずれた(進んだ)状態が続くことになる。


我々の身近なところで注意すべきことを挙げるとすれば、ビデオの録画予約がそれにあたるだろう。
最近のビデオ(DVD/HDDレコーダー含む)はNHK教育TVの正午の時報で時刻補正するタイプが多いが、午前9時から正午までは1秒進んだ状態になるわけで、この間に予約録画が始まる番組については、1秒早く録画が終わることになる。(まぁ、頭切れよりは深刻さの度合いが遥かに小さいが)


こういうことを調べるのは、とても楽しい。

*1:これは両方とも「第1優先」のようだ。 3月か9月の末日が「第2優先」で、任意の月の末日が「第3優先」だそうである。

GPS技術入門

GPS技術入門

のコラム「標準時とGPS時刻」より。