相対論関係の良書

昨日、ちょっとだけ相対論に触れたので、定評があって分かり易い本をご紹介。

ファインマン物理学〈1〉力学

ファインマン物理学〈1〉力学

5巻構成の第1巻。 第1巻は力学が中心だが、終盤で特殊相対性理論を取り上げている。
仕舞いこんだまま所在不明になっていて内容を確認できないため、以下の記述は少々正確さを欠くかも知れないが、その点ご容赦願いたい。
この本によると光速不変の原理は、マクスウェルが打ち立てた電磁気学マクスウェル方程式)から導き出される結論(予測)のひとつだそうだ。 実際にウィキペディアにもそういう記述がある。

つまり、「光の速度は変わらない」ということはアインシュタインが言い出した訳ではなく、彼はその事実(マイケルソンとモーリーが実験で検証していた)を土台として相対性理論をまとめ上げたということだ。 だから「光の速度が不変なのはおかしい」と言ってアインシュタインを否定する人たちは、マクスウェル方程式に対しても反証を示さなければならない。


さて、この本の中でファインマン博士は、向かい合う鏡の間を永久に往復する「光の振子」を考え、それが静止している場合と等速運動をしている場合を例に挙げ、相対性理論を説明している。
この思考実験を説明する過程では、数式は殆ど出て来ない。 私が今まで読んだ中では、一番分かり易い説明だった。
もちろん、ある程度進むと数式が出てきて、門外漢はここでギブアップしてしまうのだが、理系を志す高校生ならば購入して損はないと思う。