HZ904 A-4

無線工学の問題って、幾つかのパターンから数値や質問内容を変えて出すのが殆どだから、最後の方で出る新趣向の問題を除けばそれほど苦もなく解ける。 だから私のやってることは、やっぱり大多数の人にとっては無意味なんだろうなと思う。 それにこういう問題は、やはり自分で解かないとなかなか頭に入らんもんです。
私がここで解法を書いてるのも、結局は自分のため。 人に分かるように書くことで、結構勉強になってます。

オームの法則と、キルヒホッフの(第1)法則を知っていれば解ける問題。

電流則(キルヒホッフの第一法則)
電気回路の任意の節点において、流れ込む向きを正(又は負)と統一すると、各線の電流をIiとしたとき、その総和は0となる。

(「流れ込む電流と流れ出す電流の和は0である」あるいは「流れ込む電流の和と流れ出る電流の和の大きさは等しい」と言い換えることができる。)

キルヒホッフの法則 - Wikipedia

難しく思えるかも知れないが、結局「ある一点に入ってくる電流と出て行く電流の量は同じ」で、何処かから涌いて増えたり、何処かへ消えて減ったりしないという、至極当たり前のことを言っている。 当たり前すぎて馬鹿馬鹿しいくらいだけど、こういう基礎を疎かにすると後で躓くんだよね。

上図のように電流の向きを決めてやると、キルヒホッフの第1法則から以下の関係が成り立つ。
6$i=i_{3$1}+i_{3$2}
ちなみに、電流の向きは適当に決めてしまって構わない。 実際と違って逆向きだったら、負の値で求まることになる。
電流の関係式が求まったから、次は各部の電圧降下を計算する。
5[Ω]の抵抗にi[A]の電流が流れれば、その抵抗の両端にはオームの法則E=IRから、5i[V]の電圧降下が生じていると分かる。 そして以下の関係が成り立つことも分かるだろう。
6$5i=16-4i_{3$1}=12-4i_{3$2}
上式から得られる等式の組合せは3通りあるが、適当に2つ見繕って取り出し、先の式と合わせて三元一次連立方程式を立てれば、この問題は解けたも同然だ。
6$\{\array{l$i=i_{3$1}+i_{3$2}\\5i=16-4i_{3$1}\\16-4i_{3$1}=12-4i_{3$2}


ここから先の解法はいろいろあるが、私はこんな感じで解いてみた。
まず、3番目の式を変形する。
6$\array{l$16-4i_{3$1}=12-4i_{3$2}\\4-i_{3$1}=3-i_{3$2}\\i_{3$1}-i_{3$2}=1\\{\therefore}i_{3$2}=i_{3$1}-1}
次に、2番目の式に1番目の式を代入する。
6$\array{l$5i=16-4i_{3$1}\\5(i_{3$1}+i_{3$2})=16-4i_{3$1}}
これに、先ほど求めた関係式を代入する。
6$\array{l$5\{i_{3$1}+(i_{3$1}-1)\}=16-4i_{3$1}\\10i_{3$1}-5=16-4i_{3$1}\\10i_{3$1}+4i_{3$1}=16+5\\14i_{3$1}=21\\{\therefore}i_{3$1}=1.5}
6${\therefore}i_{3$2}=i_{3$1}-1=1.5-1=0.5
6${\therefore}i=i_{3$1}+i_{3$2}=1.5+0.5=2
よって、答えは選択肢5の2[A]。