プリウスのブレーキトラブルについて

プリウスのブレーキトラブルが話題になっている。

トヨタ自動車ハイブリッド車プリウス」で、ブレーキの苦情が米国で多発していることが2日、分かった。米高速道路交通安全局(NHTSA)によると、多くは、滑りやすい路面などを低速で走っていると、1秒前後、ブレーキが利かなくなるというもの。
(中略)
原因については、自動車の専門家の中には、ブレーキの制御にあるという見方がある。モーターとエンジンを併用するハイブリッド車は、通常の油圧ブレーキに加え、回生ブレーキを備えている。走る力でモーターを回転させ、減速しながら発電と充電をする仕組みだ。専門家らは、回生ブレーキと油圧ブレーキの切り替えに、何らかの問題がある可能性を指摘している。
(中略)
〈自動車評論家の国沢光宏氏の話〉新型プリウスのブレーキのトラブルは、私にも10件以上寄せられている。ブレーキが利かない時間は長くても1秒ほど。さらにペダルを踏み込めば回復するようだ。ブレーキ制御の問題だろう。これで環境性能に優れたプリウスの評価が変わることはないが、早く改善した方がいい。

asahi.com(朝日新聞社):新型プリウス、ブレーキ苦情が米で102件 日本でも - 環境

低μ路でのプリウスの挙動に問題があるらしいことは、実は以前、関係筋から聞いて知っていた。 どうやらファームウェアのバグに起因するものらしかった。 ただし、今回露見したトラブルと同じものかどうかは、当然ながら分からない。 事が事だけに情報元の口も重くあまり詳しいことは聞けなかったし、みだりに公表していい話でもないので控えていた。


プログラムのテスト方法は、ホワイトボックステストブラックボックステストに大別できる。

ソフトウェア業界では、通常これらを適切に組み合わせてデバッグを行う。
しかしメカトロ業界では「動いてナンボ」ということでブラックボックステストが重視され、相対的にホワイトボックステストが軽視される傾向があるらしい。 極端な話、机上デバッグでコードに問題が見つかっても、実機テストをパスしていれば、そのまま不問に付されることもあると聞く。
今回の問題がそうして見落とされたものかどうかも分からないが、少なくともメカトロ業界の関係者には、ホワイトボックステストの重要性を認識して欲しいと思っている。