寝台列車だけど眠るなんてもったいないよねっ・サンライズ出雲編

昨年末は中・四国をドライブしたのですが、実はそれ以前にも車と鉄道でそれぞれ一回ずつ、いずれも山陰を旅しておりまして、今回は鉄路で出雲大社をお参りしてきたお話をば。
鉄道旅行の醍醐味といえば、やはり優等列車で長距離移動…ってことになりますか。 それを堪能するのにうってつけなのが寝台列車であります。
掲題の列車には、JRが新造した初の電車型寝台車両が投入されておりまして、東海道線で通勤していた時分に田町でこれを見て以来「これにはいつか乗らねばならぬ」と心に決めて幾年月…一昨年、ようやく計画が整い切符を購入することができました。


ところが…この日を狙ったかのように大寒波が襲来し山陰地方の天気は大荒れ。 計画は断念せざるを得ませんでしたが、そのリベンジをやっと果たせたってわけです。

最初の計画では、サンライズならではの設備を利用しようと「シングルツイン」という、シングルだかツインだかよく分からん部屋を予約したのですが、上段の補助ベッドを使うには追加料金が必要とのことなので、今回はただのシングルにしておきました。 もちろん、上段です。
この車両の内装には建築メーカーが関わっただけあって、まず照明がいい感じ。


これは乗車直後、各個室の扉が開放されている状態で撮影したもの。






フラッシュを焚くと味気ないですね。
写真は撮り損ねましたが、施錠は暗証番号方式になっていて、カードキーが必要だった「北陸」より合理的だと思いました。


室内には、AC100Vコンセントが1個口だけ用意されています。 電流容量はどのくらいだろう…と思って調べてみると、下の方に1Aのブレーカーがありました。
 
100W以下の機器なら問題なく使えるはずですが、カミソリ専用って書かれています。 こういう断り書きをするのは「短時間の使用に留めて下さい…」ってことなんでしょう、たぶん。

「カミソリ専用」表記について(2013年10月19日追記)
コンセント1個口の最大定格は1A(100W)ですが、定格内であっても多くの個室で同時に使えば、ジェネレーターの供給電力を上回ってしまう恐れがあります。
このため、通常は短時間で使い終わるカミソリ専用と制限をつけることによって、オーバーロードを回避しようとしたものだと思われます。
ちなみに、もしオーバーロード状態になると電源電圧が低下したり不安定になり、最終的には保護回路が働いて停電してしまうことになります。

そうはいっても、ケータイやらノートPCの充電にはなくてはならないものなので有難く使わせてもらいました。 1個口しかないので、テーブルタップを用意しておくと便利だと思います。


この列車には車内販売はありません。 ほとんどの車両が2階建て構造なのでカートが使えないんです。 2階建て新幹線Maxも事情は同じですが、寝台列車の場合はそもそも通路が狭いうえに屈曲していることも一因なのかも知れません。
なので小腹が空いたときのために、ちょっとした食料を用意しておくことをお勧めします。(清涼飲料水なら、一応、自販機があります)
出来れば、朝食も事前に持ち込んでおくと良いでしょう。 駅弁を調達できるのは事実上、岡山駅しかありませんので。


サンライズ出雲は、同編成のサンライズ瀬戸と岡山まで併結運転されています。 岡山駅では解結作業のため通常より長めに停車するので、ホームに出て買い物をする時間ができるのです。
それでも時間的にはギリギリで、前の人がもたもたしていると気を揉むことに。 私は駅弁ダッシュが嫌だったので普通に歩いて行きましたが、そのため解結作業を撮り損ねました。
ちなみに、解結シーンをじっくり見られるのはサンライズ出雲の乗客だけ。 サンライズ瀬戸は下り先頭なので、解結と同時に高松へ向け出発してしまいます。(つまり、サンライズ瀬戸の方が停車時間が短いのです)
そのせいでしょうか、売店は先頭寄り(つまり、サンライズ瀬戸に近い側)にあります。


駅弁ダッシュに関してはサンライズ出雲の乗客は不利ですが、285系は前面貫通扉構造で併結時は瀬戸と出雲は自由に行き来できるので、予め瀬戸側に移動しておくという手があります。
ただし、岡山駅到着の20分くらい前になると解結作業準備のため通行不能になるので(その旨の車内アナウンスが事前に流れます)、到着まではミニラウンジで待機するほかないですね。
デッキは狭くて立ち止まると通行の邪魔になります。 かといってトイレで時間を潰すのは迷惑なので止めましょう。


今回も寝台列車だというのに、ほとんど眠らず過ごしました。 けれど流石に浜松を過ぎてから大阪あたりを通過するまでと、伯備線内で小一時間ほど意識が飛びましたが。

伯備線中国山地を突っ切るだけあって、天候が急変するのが新鮮でした。 これは普通列車とすれ違う写真(の空)を見ていただければ、少しはご理解戴けるかと思います。
山陰本線に入ってからは、「やくも」とのすれ違いでちょうど運転席が目の前にきました。

終点の出雲市駅では、先頭車両をバックに記念撮影をする人が多かったですね。 私は端から端まで歩いて最後尾も撮っておきました。


到着後は、出雲市駅のすぐそばにある「らんぷの湯」がおすすめ。 開館が到着時刻とほぼ同じなのが有難いです。(定休日注意)

脱衣所にある鍵のかかるロッカー(貴重品入れ)には小物しか入りませんが、バッグなどの大きな貴重品は受付で預かってくれます。


温泉で体を清めたあとは、せっかくなので出雲大社へ。 列車に乗るのが主目的で参拝はそのついで…というバチあたりな私ですが、ちょうど平成の大遷宮の真っ最中でしたので、ささやかながらご寄進してまいりました。

参拝客に妙齢の女性が多かったのは少々びっくり。 縁結びにご利益があり女性が多いとは聞いていましたが、想像以上です。 省みて、一人で参拝してる私は「下心があるのでは?」と見られていそうで、妙に居心地が悪かったですねぇ…。


帰りは空路でしたので、境線経由で米子空港へ向かいました。 車両は思った以上にアレでした。



目玉おやじのシートをじっと見ていたら、ちょっと気分が悪くなりました…。


…てなわけで、切符は今回も無効化して持ち帰ってきました。

空路では生まれて初めてエコノミーじゃないシートを利用したのですが、プレミアムクラスにするなら帰り(上り)ではなく、行き(下り)の方がオトクでしたね。 HUB空港の充実したラウンジが使えますから。

そうそう、機内持ち込み品の制限が厳しくなったので「携帯用のシェービングフォームはどうなんだろう」と思っていましたが、メーカーもちゃんと対策を打ってました。