寝台特急「北陸」のB寝台ソロに大興奮(2009年3月15日記)

k87p5612009-03-14

NHKで「富士・はやぶさ」ラストランのドキュメンタリーを観ましたが、番組自体が最終回だったこともあり、実に感慨深かったですねぇ。
私は学生時代、広島から上京する際に初めて寝台特急(列車名失念)に乗車したのを皮切りに、これまで旅行や出張で「瀬戸」「はくつる」「銀河」などを利用してきましたが、その全てが廃止(或いは転換)されてしまい寂しい限り。 そう言えば寝台急行「銀河」が廃止されたのは、ちょうど1年前のことでしたっけ。
上野駅を発着する寝台・夜行列車も、この先いつまで存続するのか分かりません。 いつか来る「その時」のために、微力ながら「北陸」の記録を書き留めておこうと思う次第です。

利用したきっぷ

今回の旅行も、一年前に「能登」を利用した時と同様「北陸フリーきっぷ」を使いました。

目的地が城端なので往復だけで元が取れる上、フリーエリアが設定されていて更にお得。
前回は、列車の混み具合が分からなかったので念のためグリーン車を利用したのですが、1月下旬〜2月なら大して混まないようなので、今回は普通車で済ませました。 その上、今回は往復共に「北陸」を利用したので寝台特急券分、コストパフォーマンスは更に向上。 誠に有難い切符でございます。

これが件のB寝台特急券。 利用額は北陸フリーきっぷに含まれているため、金額欄はアスタリスク(*)で抹消されています。
特に要望はしなかったのですが、嬉しいことに往復でそれぞれ上段と下段の両方が楽しめました。
時刻表で調べてみましたが、やはり偶数番=上段・奇数番=下段となっているようです。



そしてこれが「北陸フリーきっぷ」の本体(かえり券)。
自動改札で回収されてしまいましたが、無効化すれば記念に持ち帰ることもできるらしいです。
余談ですが、必ずしも購入時に列車を指定する必要はありません。
例えば復路の旅程が未定の場合、往路の列車だけ購入時に予約しておき、復路の予約は乗車直前に行う、といったことも可能(なはず)です。(実際私は前回、復路の列車を「ゆき」券の利用開始直前に予約しました)
ただし往復の予約を全くせずに購入するのは、あまり現実的ではありませんね。 それだと乗車日当日にしか買えませんから。*1(「乗車券は、指定券と同時に購入する場合に限り乗車日以前に購入可能」という規程があるため)

車内設備

今回利用した往路便の始発時点での牽引機は、撮影はしていませんがEF64 1051でした。
ですので、以前撮影した動画(牽引車が同じ1051号機)を再掲しておきます。

各車両から轟音が聞こえてきますが、これは床下にディーゼル発電機が設置されているから。

今回初めて「分散電源方式」の客車に乗車しましたが、車内は特にうるさくはありません。

これが「北陸」のB寝台ソロ上段。 やはり天井は低かったですね。
おまけに車両限界制限のせいで湾曲しているため、車窓付近に座ることはできません。
携帯カメラの画角の限界で車内を見渡せるアングルが見つからず、分かりにくい画像しか撮れなかったのが心残り。


照明は大別して2系統あり、枕元には常夜灯・蛍光灯・読書灯が備わっています。
蛍光灯の点灯時間が妙に長かったのが不思議でした。


これは、復路に使用した下段を車外から撮影したもの。



同じ部屋を通路側から撮影。



下段には、上段とは違って通路側の窓があります。


どちらもセキュリティ確保のため施錠が可能ですが、外側からの施錠・開錠はカードキーで行います。

「北陸」のロゴが入っているので、この列車専用なのでしょう。 材質は紙で、裏面に磁気ストライプが入っています。
始発から乗車すると車掌が配ってくれるようですが、発車ギリギリに乗り込んだり途中駅から乗車した場合は、声を掛けないと貰えません。
回収しないので、記念に持ち帰ることができます。 往路で入手したカードを復路で試してみたら、ちゃんとつかえました。


カードキーには"EAST JAPAN RAILWAY COMPANY"と書かれていますが、「北陸」の運行主体はJR西日本なんだそうで。

写りが良くないのですが、デッキの洗面所から自室の開錠までを撮影した動画をアップしておきました。

「ソロ」は、確か全部が改造車。 最初から個室車両として新造されたのではないせいか、間取りは「富士・はやぶさ」とも「あけぼの」とも異なるようです。

運行

列車は高崎を出ると、時刻表上は糸魚川まで停車しませんが、実際は頻繁に停車します。
水上での停車は、どうやら補機連結のためだったようですが、乗降扱いではないためドアが開かず、確認することはできませんでした。 急勾配通過のため連結された補機は、石打で解結されるようです。
水上を出たあと有名な土合駅(新清水トンネル内)を通過するのですが、一年前にはなかった、長崎の出島のような構造物がありました。 新しいホームとのこと。

これも余談になりますが、前回「能登」でここを通過した時、ホームに人がいたんですよ。
カメラを持っていたので撮り鉄さんだろうとは思いますが、深夜2〜3時の無人駅でみる人影なんて恐すぎます。


さて列車は、長岡駅でも進行方向転換のため停車。
これは「能登」も同じですが、「北陸」の場合は同時に牽引機も交換します。 というのも、EF64は直流機であるため、糸魚川以遠の交流区間に乗り入れることが出来ないから。 ここで交直両用機EF81の登場と相成ります。

「交直両用機なら上野〜長岡もそのまま走り通せばいいんじゃね?」なんて疑問もあるかも知れませんが、EF64でないと水上〜石打で行う補機との重連統括制御運転が出来ない、といった事情があるようです。


私は金沢までずっと起きていましたが、長岡駅は深い夜霧に包まれていて、構内照明に浮き上がった景色が幻想的で見惚れました。 ところが糸魚川を過ぎたあたりから星が見え始め、今度は星に見惚れてました。 翌日は北陸らしくない、いい天気になったのは以前書いた通りです。
富山駅高岡駅では北陸新幹線関連の工事が始まってました。


さて復路では、前回は時間の都合でパスした「松川ループトンネル」の通過を楽しみにしていたのですが……前の晩、往路で一睡もしなかった上、城端・福光で合計10kmほど歩き回ったせいで疲れ果て、爆睡。 富山を出てから高崎までの記憶がありません。
終着駅の上野で牽引車を確認したら、EF64のラストナンバーであり、かつ国鉄が最後に製造した直流電気機関車だという1053号機でした。

「北陸」の電源事情(2009年12月19日追記)

このエントリを書いた後、電源について書き忘れていたので次に乗車した時にでも書こうと思っていたら、残念なニュースが飛び込んできました。

なので、このエントリに書き足そうと思った次第。


出先で携帯電話やノートPCなどのバッテリー残量が心許なくなった時、重宝するのがAC電源。 最近投入される新型特急車両ではAC100Vコンセントを備えたものも珍しくなくなりましたが、「北陸」B寝台ソロの場合、残念ながら室内にコンセントはありませんでした。 実は密かに期待してたんですけどね…。
ところが通路に(少なくとも)1個口、コンセントがあったのです。 設置場所から考えて、車内メインテナンス(掃除機)用だと思われますが。
通路なので使いづらく、全く利用する気にならないのですが、私が乗り合わせた車両には、これで携帯電話の充電をしている剛の者がいましてね…薄暗い通路に携帯電話だけが床に直置きにされていて、もう少しで踏んづけるところでした。
盗難の危険もありますし、そもそも勝手に使うのは盗電にあたりますから、全くお勧め致しません。

*1:使用開始日の1ヶ月前から購入可能でした。 http://www.jreast.co.jp/tabidoki/service/hokuriku/index.html